AZ-GTiは経緯台として販売されているので、三脚との接地面は水平になっています。
これを赤道儀として使うためには、AZ-GTiの鏡筒搭載の面は三脚接地面から90°になっているので、三脚接地面を(90°-天の北極の角度) に傾ける必要があります。
つまり、下記のようになります。
これを実現させるためには、例えば単純なアングルプレート、と呼ばれる金具を使う方法があります。
ただし三脚と同様で、単に角度を合わせるだけではなく、風で揺れたりしない剛性が必要になります。
また、AZ-GTiを赤道儀として運用するためには、AZ-GTiの赤経(Dec)方向の回転軸を正確に極軸(天の北極と天の南極を結んだ直線)に合わせる必要があります。
大まかには三脚の脚の向きや高さの調整で可能ですが、正確に合わせるためには「微動雲台」と呼ばれる雲台を使用する方が便利です。
しかし、微動機構は剛性を損ないやすいので頑丈なものが必要です。
AZ-GTiを赤道儀として運用されている方の多くは、KenkoのスカイメモS/T用の微動雲台を流用されている方が多いようです。
(私はこの微動雲台を使ったことはありません。)
当初カメラ用のギア雲台や他社製の微動雲台を使ってみましたが、いずれも風がない日の運用には支障ないものの、風速で2m程度の風が吹くと鏡筒が揺れてしまいとてもストレスを感じてしまいました。
そんな中、Twitterやブログなどで、AZ-GTiで使えるとても頑丈な微動雲台を制作されている方々がおられるのを知りました。
大阪あすとろぐらふぃ~迷人会が運営されている、迷人会工房さんです。
迷人会工房
最強微動雲台と記載されているそれは、見るからに頑丈そうです。
実際試作段階の製品を、ほしぞloveログ (http://hoshizolove.blog.jp/) のSamさん(@hoshizoloveblog)がblogで詳しくレビューされている記事がありました。
迷人会製作のポタ赤用微動雲台の評価
迷人会製作のポタ赤用微動雲台の評価: 振動編
詳しくは上記をお読みいただければと思いますが、私が求めているのはこれだ!と思い、Twitterで大阪あすとろぐらふぃ〜迷人会の迷人会工房のこたろうさん (@meijinkaikotaro) から、実際に制作されている迷人会工房の井戸端秀樹さん (@U0KN5K0eM9nJ1ZM) をご紹介いただきました。
井戸端秀樹さんに、北海道でAZ-GTiを使用していることや揺れで困っていることなどをお伝えして相談し、色々とアドバイスいただいた上で制作をお願いしました。
また、APP-TL130が手に入ったのでこちらを使用するためのアダプタについても一緒に制作いただきました。
仕上げました😁記念写真に、剛性えらいことに、、、、😅AZ-Gtiに10kのせても、全く問題ナッシブルょ~ pic.twitter.com/QZT7XEPcOV
— 井戸端秀樹 (@U0KN5K0eM9nJ1ZM) August 29, 2021
三脚と制作いただいた微動雲台の間に、私はMORE BLUEさんで販売されているハーフピラーを入れて使っています。
SP405-パイプ直径50mm長さ225mmカーボン製 センターポール 延長ピラー
ハーフピラーは、鏡筒が三脚に接触することを防いでくれる便利な製品ですが、全体のバランスが悪いとやはり揺れる原因になります。
AZ-GTiとセットで販売されているハーフピラーを私は使ったことがありませんが、悪くないようです。
こちらのMORE BLUEさんのハーフピラーもとても素敵で、何より気温の低い屋外の札幌で持ち運びの時に持ってもカーボンなので冷たくありません。
井戸端秀樹さんに作成いただいたAPP-TL130用のアダプターにもピッタリフィットしてガタがありません。
完成して納品いただいた井戸端秀樹さんの微動雲台は、本当に全く揺れず、ストレスなく快適に星を楽しむために欠かせない一品となりました。
極軸調整もとてもやりやすいです。素敵な製品を本当にありがとうございます。