SVBONY SV503 80ED

初めて望遠鏡を購入する際、まず気になるのは価格です。
望遠鏡の世界は上を見ればきりがないですし、そんなに進歩がないと思っていた機器でも、小学生の頃と比べると色々な変化があったようです。

いろいろな方のblogの記事などを拝見してお迎えしたのは、SVBONYさんの SV503 80EDという8cm径の屈折望遠鏡です。
SVBONY SV503 80 ED f/7 屈折鏡筒 テレスコープ 焦点距離560mm

sv50380ed

SVBONYというメーカー

SVBONYさんは、中国や香港に拠点がある光学機器メーカーですが、日本語でのサポートもしっかりしていて、製品もとても気に入っています。
https://www.svbony.jp/
望遠鏡以外にも、フィルターやアイピース、各種アダプターを販売されていて、どれも低価格なのですがとても品質がいいように思います。
加工の精度も、使っていてガタがあってストレスを感じたりすることがありません。

SV503 80ED

紹介記事としては、販売店の天文ハウスTOMITAさんのこちらの記事や
コスパ最強 SVBONY SV503
天文リフレクションズさんのこちらの紹介記事
オトナの天文趣味入門に最適・SVBONY SV503天体望遠鏡(1)外観編
オトナの天文趣味入門に最適・SVBONY SV503天体望遠鏡(2)実視・撮影編
に詳しいです。

望遠鏡のような光学レンズを使う機器は、光の波長によって焦点距離が微妙にボケる色収差がありますが、これを補正しようと色々な工夫が行われてきました。
SV503 80EDでは、この工夫の1つである EDレンズ(S-FPL-51)が1枚使われている、二枚玉EDアポクロマートと呼ばれている望遠鏡になります。
EDレンズが使われていないアクロマートと呼ばれている望遠鏡に比べて、色収差や球面収差が少なく、ストレスなく楽しむことができます。
(より高価な、複数のEDレンズを使用した製品も世の中にはありますが、性能に応じて価格も高くなります。)

もちろん完璧でないところもあって、同じ口径でも数十万円する望遠鏡に比べると、例えばこのような問題はあります。
浮気なぼくら (http://uwakinabokura.livedoor.blog/) の シベットさん(@PACIFICA612) が、ブログで詳しくSV503の性能を検証されています。
(シベットさんが使われているのは、一回り小さい SV503 70EDですが、ほぼ同じかと思われます。)

SVBONY SV503 70EDによる電視観望
SV503 70ED鏡筒とASI462MCによる電視観望を薄曇りの中強行する
SV503 70ED鏡筒の赤外結像の状況をASI462MCとの組み合わせで確かめる
詳しくはブログの記事をお読みいただければと思いますが、赤外ピンボケの症状があり、UV/IRカットフィルターで赤外をカットすると星像がシャープになることが検証されています。
これはシベットさんも書かれているように、EDレンズを使っているとはいえ、2枚玉で赤外まで焦点を揃えるのは設計上難しく、仕方のないことです。
裏返せば、赤外をUV/IRカットフィルターでカットして可視光領域で使う分には、CMOSカメラを使った撮影の用途でも値段を考えるととてもパフォーマンスがいい望遠鏡かと思います。
対象によってはカットしちゃうと寂しくなる時もあるので、色々撮ってみながら勉強していければなと考えています。

入手してしばらく使ってみた感想として、SV503 80EDは、低価格と優秀な性能を併せ持った素敵な望遠鏡で、とても満足しています。
一番気に入っているのは、フードが一体型になっている鏡筒の金属の頑丈さと、ラックアンドピニオン式でドローチューブを伸縮できるデュアルスピードフォーカサーです。
ピント合わせがとてもやりやすいです。

SV503 80ED用フラットナー

上記の天リフさんの紹介記事の撮影偏ではフラットナーが紹介されていますが、SVBONYさんでも純正の0.8倍のフラットナーを販売されているので、私は一緒に購入して使っています。
0.8倍なので、これを接続すると焦点距離が560mmから約446mmになります。
SVBONY SV193 0.8xフラットナー( Field Flattener)SV503シリーズ望遠鏡専用
時期によるのかもしれませんが、私が実際に購入したのは下記の、SV503 80ED+専用SV193 0.8xフラットナー+キャノンカメラ用アダプター+ ファインダー台座の4点セットです。
SVBONY SV503屈折鏡筒専用撮影機材セット「フラットナー付き」
フラットナーは、2インチバレルをM48x0.75のネジに変換するように作られていて、キャノンかニコン用のアダプターが含まれているので、何も買い足さずにそのままキャノンのEOS 40Dのような一眼レフカメラを接続することができます。
またさらにこれにZWOのEOS-EFマウントアダプターを接続することで、ZWOのASI385MCといったCMOSカメラを接続することができます。
写真は、SV503 80EDに、純正の0.8倍フラットナー、ファインダー台座、ZWOのEOS-EFマウントアダプター、ASI385MCを接続したものです。

写真ではさらに、付属の鏡筒バンドの上部にもう1本、AstroStreetの18cmのアリガタプレートを付けて持ち手の代わりにしています。
AZ-GTiに載せる際などに安定して持ちやすいです。

持ち運び用のケース

SV503には持ち運び用のケースなどは付属しません。
私はAmazonでこちらの汎用のキャリーケースを入手して使っています。

サイズ感がぴったりでちょうどいい使い勝手です。