視野の狭いカメラで広範囲を撮影したいときに、少しづつずらした範囲をカメラで撮影し、PCで連結して1枚の画像にする手法をモザイク撮影と呼びます。
赤道儀化したAZ-GTiとASIAIR PROの組み合わせでは、作成したマップを自動的に架台を制御して移動させながら、事前に設定した枚数を自動で撮影させることができます。
撮影プランの作成
まず、撮影したい天体の星図を見ながら、撮影する範囲のマップを作成します。マップの作成には、下記のサイトが便利です。
Telescopios - Telescope Simulator
Pane, RA, DEC, Position Angle (East), Pane width (arcmins), Pane height (arcmins), Overlap, Row, Column
Pane 1, 00hr 41' 32", 42º 08' 47", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 1, 1
Pane 2, 00hr 40' 28", 41º 22' 55", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 1, 2
Pane 3, 00hr 39' 24", 40º 37' 00", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 1, 3
Pane 4, 00hr 43' 51", 42º 01' 56", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 2, 1
Pane 5, 00hr 42' 44", 41º 16' 08", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 2, 2
Pane 6, 00hr 41' 40", 40º 30' 18", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 2, 3
Pane 7, 00hr 46' 08", 41º 54' 54", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 3, 1
Pane 8, 00hr 45' 00", 41º 09' 11", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 3, 2
Pane 9, 00hr 43' 54", 40º 23' 26", 285.00, 55.80, 31.20, 15%, 3, 3
Name, RA, DEC
Pane 1, 00hr 41' 32", 42º 08' 47"
Pane 2, 00hr 40' 28", 41º 22' 55"
Pane 3, 00hr 39' 24", 40º 37' 00"
Pane 4, 00hr 43' 51", 42º 01' 56"
Pane 5, 00hr 42' 44", 41º 16' 08"
Pane 6, 00hr 41' 40", 40º 30' 18"
Pane 7, 00hr 46' 08", 41º 54' 54"
Pane 8, 00hr 45' 00", 41º 09' 11"
Pane 9, 00hr 43' 54", 40º 23' 26"
ASIAIR PROへ撮影プランの読み込み
ASIAIR PROにカメラをつなぎ、ASIAIR PROを起動します。(カメラを接続しないとPlanの編集を押すことができません。AZ-GTiは接続しなくても編集できます。)
Planの下にあるリストのアイコンをタップし、右上の三本線のアイコンから、Addを押して新しいプランを作成します。
プランに付随して全体設定できる項目は表示の通りです。Plan Nameをタップして名前を入力します。
Auto Meridian Flipの設定もありますが、?を押して表示される説明をよく読んでください。
私は今回、アンドロメダ銀河を子午線越えが含まれるスケジュールで(気づかずに)撮影していたのですが、撮影中にガイド鏡の曇りが発生して中断し、再開したところ鏡筒が子午線越えの動作となりました。
この際、プランの作成で計画した視野の回転角に合わせてこの後事前にカメラを回転させますが、子午線越えの後はカメラの向きはずれるので、Auto Meridian Flipは切って使うのが私の使い方ではよさそうです。
空の名前だけのプランが作成されました。画面上部のImportのアイコンをタップし、入力欄を表示させます。
入力欄が表示されたら、事前に加工して送信しておいたCSVをコピペで貼り付け、Importをタップして読み込みます。
自動的に、最初の枠の設定画面が開きます。+のアイコンをタップして、撮影したい内容を設定します。この例では、Lightフレームを180秒、5枚の設定にしました。
1番目の枠の設定画面から、戻るアイコンをタップすると、「全てのターゲットに適用するか?」と聞かれますのでApplyをタップして適用します。全てのターゲットの撮影設定が完了しました。
なお、これはバグではないかと思いますが、例えばここまでを自宅で行ってASIAIR PROの電源を切り、撮影地でASIAIR PROの電源を投入すると、上記の5の手順の項目(ターゲット毎の露出時間と枚数)が最初の枠以外消えてしまいます。 この状態になると、一度最初の枠の撮影設定を削除し再投入しても、「全てのターゲットに適用するか?」のダイアログが表示されず、全ての枠に対して設定を再投入する必要があります。枚数によっては非常にめんどうなので、一通り手順を確認したあとは、撮影地で撮影前に投入する方がよいかもしれません。
上記の画面のように、全てのターゲットに撮影設定が入っていること、全てのターゲットに緑色のチェックが入っていることを確認してください。 下記はバグ(?)を踏んだ際の画面です。
極軸合わせ、必要に応じてオートガイドなどの準備ができたら、Plan画面から実行する前に、まずカメラの視野の角度をプランの設計と同じにします。
GoToで目標の天体を導入し、Previewで1枚画像を撮影して、Plate Solveで角度を算出し、プラン作成時の角度と同じにします。
ASIAIR PROでは、おそらく0度を基準に±180°の表示となるようですので、今回の例のプランではPlate Solvingの表示が -75°(±1°ぐらいで)になるよう調整しました。
Plate Solveのアイコンは、ASIAIR PROと架台を同期させる「Sync to Mount」を押して同期させると、Preview画面にアイコンが出てきます。
準備ができたらPlanを実行します。実行時、右上に表示されるターゲット数と枚数が、意図したとおりになっているか確認してください。
なお、実行中はポーズすることが可能です。撮影済のターゲットは保存されているので、Planの設定からターゲットの緑色のチェックを付けなおす・リセットするなどの操作で、中断して再度実行する、曇ってしまったので一部やりなおすなどの操作を行うことができます。
実行中は下記のように、自動で順次ターゲットを撮影していきます。
撮影画像の合成
(まだ試行錯誤中なのでふわっと)
手順はこちらを参考にしました。
Assembling a Mosaic Using PixInsight
Image Plate Solver script version 5.6.1
===============================================================================
Referentiation matrix (world[ra,dec] = matrix * image[x,y]):
+1.22086074e-04 -4.67088843e-04 +1.37782892e-01
+4.67046508e-04 +1.22104060e-04 -5.19014829e-01
WCS transformation ....... Linear
Projection ............... Gnomonic
Projection origin ........ [968.002868 547.995453] px -> [RA: 0 41 14.051 Dec: +42 08 10.57]
Resolution ............... 1.738 arcsec/px
Rotation ................. 104.647 deg
Reference system ......... ICRS
Observation start time ... 2021-09-25 12:47:14 UTC
Observation end time ..... 2021-09-25 13:05:18 UTC
Focal distance ........... 445.06 mm
Pixel size ............... 3.75 um
Field of view ............ 56' 4.7" x 31' 44.8"
Image center ............. RA: 0 41 14.050 Dec: +42 08 10.57
Image bounds:
top-left .............. RA: 0 41 58.281 Dec: +41 37 01.64
top-right ............. RA: 0 43 15.878 Dec: +42 31 13.19
bottom-left ........... RA: 0 39 13.695 Dec: +41 44 59.99
bottom-right .......... RA: 0 40 29.088 Dec: +42 39 18.42
ASI385MCで、月が明るい夜に初めて挑戦してみたにしては、そこそこ上手に結合できているのではないかなと思っています。
(わかりやすくするために色合わせまでで、彩度の調整やノイズ低減などは行っていません)