CANON EOS 40D(改造)

Canon EOS 40Dは、14年前の2007年9月に発売されたAPS-Cサイズの一眼レフカメラです。
EOS 40D - キャノンカメラミュージアム

eos40d

古いカメラなので、ネットオークションや中古店などで、数千円から取引されています。
その中から、天体撮影用にイメージセンサー前に取り付けられているローパスフィルターが除去されているものを入手しました。

選定理由

  • ASIAIR PROで制御できる
  • ちょうど良さそうなほどよいスペック
  • 価格が安い
ASIAIR PROで制御できる

このカメラを含むCanon/Nikonの一眼レフカメラは、ASIAIR PROから制御できるカメラとして公式にサポートされています。
ASIAIR PRO | ZWO ASI - Supported DSLRS & MILCS
実際に、極軸合わせ(PA)、フォーカスの追い込み、プレビュー撮影、ライブスタック、AutoやPlanによる自動撮影に対応しています。
ただし、EOS 40Dでは惑星を撮影する際に使用することがあるVideo撮影機能は動作しません。
ただ私の用途では、惑星はよりセンサーサイズが小さい(=対象が大きく映る)ASI385MCを使うことが想定されたので問題ありませんでした。

ちょうどいいスペック

画素数が多すぎずRAW画像の解像度が3888×2592とちょうどよさそう(例えば後継機種のEOS 50Dは、4752×3168と高解像度になっています)だったことがあります。
同じセンサーサイズで画素数が少ないことは、画質が低下するようにも思いますが、天体のように暗い光を写したい場合、同じセンサーサイズで画素数が少ないことは1つの画素の面積が大きいことを意味します。
その分、同じ時間をかけても1つの画素で捉えられる天体の光は多くなるので、有利ではないかと考えました。

天体のような暗い光を写す際に、ISOを上げた時の高感度ノイズは少ない方が綺麗な写真が撮れます。
2021年の最新の一眼レフにはかなうはずもありませんが、過去の色々な方のブログを読んだ限りでは、まあ使えないことはないだろう、という印象でした。
今日も気分は森の中。- EOS 40Dのノイズテスト

価格が安い

EOS 40Dの記録メディアは現在一般的なSDカードではなく、CFカードです。(近い時期に発売されたEOS Kiss X2の記録メディアはSDカードになっています。)
通常の一眼レフとして使う場合、SDカードが利用できる機種の方が使い勝手がいいので、その分人気があり、価格も高くなりがちかと思います。
しかし、ASIAIR PROに一眼レフカメラを接続して使用する場合、全ての撮影した画像をASIAIR PRO側に保存することが可能なので、本体の記録メディアは必ずしも必要ではありません。
(ASIAIR PROと一眼レフの記録メディアの両方に同時に記録するよう設定することもできます。)

中古品を入手したので、バッテリーは消耗していることが考えられました。
ある程度長い時間動作してくれないと支障がありますので、内蔵の純正バッテリーではなく、ポータブル電源に繋いで外部給電できる互換品の下記アダプタを別途入手しました。

今のところ、ポータブル電源にAC100Vで接続してEOS 40Dで一晩撮影しても問題なく動作しています。

注意点

EOS 40Dのせいではないのですが、特に赤い星雲をよく写せるようにローパスフィルターを単純に除去する改造がされていると、センサーの自動クリーニングが使えず手動でミラーアップしてセンサーを掃除する必要があります。(ローパスフィルターの代わりにクリアフィルターを入れて、自動クリーニングできるようにする改造もありますが、その分費用が高くなります。)
そして天体を撮っているとイメージセンサー上のゴミはとても目立ちます。
まめに掃除することで解決したいと思います。

写せる範囲

まず、アンドロメダ銀河で試してみましょう。SVBONY SV503 80ED/0.8倍フラットナーとの組み合わせの直焦点撮影です。
視野のシミュレーションには、こちらのサイトを利用させていただいています。
TELESCOPIUS - Telescope Simulator

andromeda2
ASI385MCではデカすぎてはみ出ていたアンドロメダ銀河が、視野を少し回転させるとちょうどいい感じに収まりそうです。

もう1つ、オリオン大星雲(M42)を見てみます。
M42
横構図でもちょうどいい感じで素敵です。